この研究会は、草の根ささえあいプロジェクトが現在取り組んでいる厚生労働省社会福祉推進事業「複数の困難を同時に抱える生活困窮者へのヒアリング調査に基づく、当事者サイドからみた相談支援事業のあり方に関する研究」の分科研究会として開催しました。私たちが行っている調査事業の分析を進める上で、新たな視点や論点を外部の方から提示いただく場です。
第1回の研究会は12月28日に開催しました。テーマは、生活困窮者支援の現場からみた伴走型支援とは何か。その熱気あふれる様子は、こちらの記事でご紹介しています。
今回は2回目の研究会で、生活困窮者自立支援法がテーマです。
会場は名駅のウインクあいち。からっと晴れたいいお天気の午後、170名入る会場がいっぱいになるほどの参加者が集まってくださいました。社協の職員の方や、行政、NPO、研究者の方など、みなさんどこで知ったのだろう?…多様な、普段草の根のイベントではお会いしたことがないような方にもたくさんお越しいただきました。
きっとそれだけ、このテーマとゲストに関心をもたれた方が多かったのでしょうね。
当日の内容については、togetterまとめ職人のカイパパさんがわかりやすく整理してくださってるので、ぜひご覧ください。
私もこのtogetterを何回か読み直しましたが、今からふりかえっても中身がぎゅっとつまった3時間でした。
ゲストの厚生労働省生活困窮者自立支援室長の熊木さんからお聞きした話の中で一番印象に残っているのは、
この生活困窮者自立支援制度は“地域の資源を総動員する”制度だということ。
そして、自立支援法は「その人の尊厳と多様性」を認める法律だということ。
2年前に、草の根ささえあいプロジェクトで、「社会的孤立や貧困に至るプロセス及び支援のメカニズムに関する調査」を行いました。
その調査の中で、人が孤立せず、社会とつながりなおすためには、
「ネットワーク機能(多様な支援者や支援機関をつないで本人をサポートする機能)」や「インフォーマル機能(制度で足りない部分は地域の力を活用する機能)」が必要だということがわかってきています。
この自立支援制度で“地域の力”をうまくもちよることができたら、ネットワーク機能やインフォーマル機能が果たせるかもしれない。
そして、中心にいるのはあくまでご本人で、ご本人の特性を認めながら、スモールステップをふんで社会とのつながりを取り戻していく…
今は夢物語に聞こえるけれど、そうできる可能性をもっている制度なのかもしれません。
地域の力をもちよれ、多様性が尊重される社会は、生活困窮者だけでなく、誰にとっても暮らしやすい社会だと思います。
子育てに悩んでいる人も、家族の介護で苦労している人も、学生も社会人も、障がいのある人もない人も。無理に背伸びしなくても良く、違いは違いと受け止められて、そこからスタートできる。
そのためにも、今まで以上に「できることをもちよる」マインドで地域にかかわっていきたいと思いました。レッツできもち!
(草の根ささえあいプロジェクト ちゃんえつ)